逆しま(さかしま)とは、逆様(逆さま)、つまり「逆である様子」が転じた言葉。逆さまの「逆」は、「逆立ち」や「逆上がり」などと用いられるように、主に上下が反転している状態をいうが、「逆しま」と訛(なま)ると、この「逆」は特に人間関係の上下を反転させる、つまり法律、権力、道徳などに逆らう反逆者的な意味が強くなる。似たような言葉に「邪(よこしま)」があるが、これも「横様(横さま)」が訛った言葉。この「横」は、「クルマを避(よ)ける」というときの「避け」と語源が同じで、正しい道を「避(よ)け」たアウトサイダー的な状態が「よこしま」である。一方「逆しま」は、正しい道を避けただけではなく、上下関係を転覆させよう(逆さまにしよう)というたくらみがあり、同じワルでもより過激なワルだということができる。(CAS)