カテゴリー:宗教、民間信仰、俗信
懺悔とは、神仏に自分の犯した罪を告白し、許しを乞うこと。つまり、神様にカミングアウトすること。しかし、カミングアウトするヤツみたいに、告白して開き直っているようでは許しは得られない。
神仏は人間の罪深さなどお見通しのはずだから、なにもかもご存知でわざわざ自白させるのは意地が悪いような気がするし、逆に、お見通しのような顔は単なる知ったかぶりで、告白して「え、そんなことしてたんですか!」と驚かれるようではなんだか頼りない。とはいえ、自白してしまったらムショ行きが確実な警察の取り調べと違い、告白して反省すれば許してもらえるのは罪人としてはありがたい(もちろん、熱心な信者になるという条件付きではあるが)し、守秘義務も守られるようなので安心である。
「懺悔」という漢字はもとは日本では「さんげ」と読み、仏教の用語であった。キリスト教が導入されたとき、罪の告白であるconfessionの訳語として「懺悔」を用い「ざんげ」と読んだことから、いまでは「ざんげ」という読み方で通っている。してみると、どうやら、懺悔して許しを乞う相手としてはキリスト教の神様のほうが、カウンセリング能力が優れているようである。(CAS)