カテゴリー:経済、ビジネス、職業
先物取引とは、300年前から行われていたバーチャル取引。つまり、仮想の産物に対して仮想の金銭のやりとりを行なうもの。儲かっているとき(あるいは儲かっていると勘違いしているとき)は夢見心地で、仮想世界で幸せに生き続けるが、一転大損すると、一気に過酷な現実に引き戻される。儲かっているうちにやめればいいのにと部外者は思うが、幸せな夢は覚めてはじめて夢だとわかるのだ。
先物取引は本来、農産物の販売者が生産や輸送、販売にともなうリスクを避けるために取りいれたシステムで、一八世紀に大坂堂島で始まった日本の米相場は世界でも最初期の先物取引といわれている。とはいえこのような先物相場が成り立つためには、誘蛾灯に集まる虫のように幻覚に誘われた庶民の資金を集める必要があり、米相場もトリップ的魅力で多くの犠牲者を生んでいたようである。(CAS)