カテゴリー:宗教、民間信仰、俗信
三途の川とは、仏教の教えをもとに民間に広まった信仰で、死者が死後の世界に行くときに渡る川である。「三途(さんず)」とは本来、地獄、餓鬼、畜生の三悪道のことを言い、それぞれに火ぜめ、刀剣などによる脅し、弱肉強食の食い合いという恐ろしい責め苦の世界が待っているというもの。しかし、民間信仰に移された「三途の川」では、生前の罪の軽重により渡りやすさが違う三種の瀬があるということからその名前があるのだと、のんきな解釈の変更がなされている。渡りにくいなら渡らなければいいようなものだが、いずれにせよ、あの世の仕組みは、この世で悪人によほどひどい目にあった人が、くやしまぎれに執念深くプランしたに違いないと思われる。(CAS)