サンマ(秋刀魚)とは、日本の秋の味覚を代表する魚。日本人はサンマは秋に食べるものと固く決め込んでいるようで、養殖も行われず、輸入量も少ない。「旬」の意識がいまだに残る貴重な食材である。漢字の「秋刀魚」は日本で考えられた当て字らしいが、中国でもこの文字を使用している模様。
サンマは日本以外ではあまり食されていないらしい。これは秋刀魚のいちばん旨い食べ方に世界の人々が気づいていないからではないかと考える。秋刀魚の代表的な食べ方は、塩を振って網焼きにし、醤油と大根おろしを添え、ときにスダチなどの柑橘類を搾って食べる「塩焼き」。このようにアバウトな調理法で食されることが多いため、日本料理として喧伝される機会もなかったのではないかと思われる。マグロの刺身のように 世界がその味に目覚め、奪い合いになるような状況を避けたいと切に願う。(CAS)
こんなことをのんきに書いていた(2013年)ところ、昨今(2015年秋)、台湾でサンマの消費量が急増し、漁獲量も「爆獲り」状態であるという。台湾の人々は、サンマを日本風に刺身や塩焼きで食べる他、中華風にアレンジしたり、ハンバーガーにはさむなどいろいろな調理法で楽しんでいるらしい。われわれ日本人からしてみれば、「そんなムリな調理をしてまで食べてもらわなくていいから、そっとしておいて」といいたいところだが……。(CAS)
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