この辞典の使い方>「こ」で始まる言葉>木枯らし、凩の意味、語源
カテゴリー:自然、天文、気象、災害
木枯らし(凩)とは、「樹木を枯らすもの」という意味で、冬の訪れを告げる北西寄りの強い風のことをいう。貧乏人には特に、やせ細った身や空っぽの財布に寒々と吹き付ける厳しい風として知られている。
木枯らし(凩)は俳句では冬の季語。和歌では「焦がれる(恋しさのあまり胸が焼け焦げるように感じる)」というダジャレで恋の歌にも使われる。しかしその恋愛感情は、相手を痩せ細らせるほど激しいものであり、やはり昔もストーカー被害というのはあったのだなと知らされる。
貧乏な旅人に吹き付ける風と、「(句作に)焦がれる」という意味を効かせた芭蕉の発句に「狂句こがらしの身は竹斎(ちくさい)に似たる哉(かな)」があるが、「狂句」という前書を句とくっつけてしまって字余りなうえに、当時の教養人に向けた内輪ネタの内容なので、いまとなってはわけのわからない句として敬遠されている。(CAS)