御託を並べるの「御託(ごたく)」は、「御託宣(ごたくせん)」すなわち神のお告げのこと。「御託を並べる」は、御託宣を言い連ねるという意味だが、モーセが人々に十戒を読み聞かせているというような状況をいったものではなく、神のお告げでも聞かせるように自分勝手なことをくどくど述べるという意味であり、「あの野郎、御託ばかり並べやがって、偉そうに」などと、態度のでかいが言うことは空疎なヤツに反感をもって投げかけられる言葉である。モーセの御託宣を聞いていた当時の民衆も、似たような心境であったとも考えられるので、「モーセがご託を十コ並べてる」というような言い方もアリかもしれない。(CAS)