御多分に漏れずの「多分」は、量が多いこと、大部分という意だが、ここでは「世間の大多数」つまり「世間一般」を表す。「御多分に漏れず」は「世間一般と同じく」「例外でなく」という意味。「たぶん」と読む言葉に、他に、多くの知識があること、多くの人が聞き知っていることを意味する「多聞」があり、「多分」をこの「多聞」と勘違いして、「御多分に漏れず」を「世間の人がウワサしているように」と理解している人があるが誤りである。「御多分に漏れず、うちの会社もつぶれそうです」は、「不況で多くの会社が倒産しているがうちの会社もあぶない」と言いたいのであり、「みんながウワサして知っているようにうちの会社はつぶれそうです」という意味ではない(実態はどちらにも通じるのであろうが)。(CAS)