小踊りとは、少しダンスすること、少し跳ねることといった意味だが、「合格の知らせに思わず小踊りした」などと用いて、ちょっとダンスしたり飛び跳ねたりしてしまうほどの喜びを言い表す。お気づきのようにこの「小踊り」は、周囲に喜びを分かち合う仲間がいないか、あるいはむしろ敵対する人々がたくさんいて、過大な喜びを見せるとそんなやつらの嫉妬を買うような状況における「喜びよう」であって、ほんとうはみんなに胴上げでもしてもらいところをぐっと抑えた奥ゆかしい喜びの表現である。つまり最近の言葉でいえば、土俵上で勝った喜びを表現してはいけない相撲の世界で、力士が控えめに見せるプチガッツポーズといったところである。(CAS)