公民とは、政治的な意味での国民、市民のことだが、歴史的には、律令制度において、天皇の直接支配を受ける人民で、口分田を与えられ、戸籍に登録されて、税を納める義務を負う者を言う。つまり「一人前だ」などとおだてられて、稼ぎの中から税金をピンはねされる身分の人のことである。しかし、貴族でもなければ、当時の一般庶民は、それがいやなら賤民(奴隷のこと)になるしかないのだから、そんな身分でも甘んじて受け入れるしかないのである。その点、現代の公民は自由きままなもので、その身分がいやなら海外にトンズラすることもできるし、金儲けしていてもどこかの島に口座を開設し、税金を払わずに堂々と生きていくこともできる。(KAGAMI & Co.)