カテゴリー:慣用語、擬声語、擬態語
怪しからんは、「怪しからぬ」が変化した言葉で、無礼だ、不都合だといった意味だが、用途としては、無礼だったり、不都合なめにあった人がそのようなことをされたために憤慨し、相手を強く非難するためになげかける言葉である。特に、年上の者や立場の上の者が下の者に対して「近頃の若い者はまったく無礼でけしからん」などと用いる。つまり年寄り臭い言葉であるから、近頃の無礼な若い人たちには使用をお勧めできない。
「怪し」は、(悪い方に)普通ではないという意味で、その補助活用「怪しかり(=怪しくあり)」を「ぬ」で打ち消した「怪しからん(怪しからぬ)」は「普通である」という意味かと思いきや、各種辞典によると「普通でないどころではない」と強調された意味になるようである。どうやら打ち消しの「ぬ」は誤って添えられた言葉のようで、よほど頭に来た人が怒りにまかせて「ぬ」をつけてしまったのではないかと思われる。(CAS)