喧嘩両成敗の「成敗」は処罰すること。喧嘩両成敗は、けんかをした場合、どちらに理があるかを問わず両者ともに処罰することをいう。戦国時代、各大名が制定した分国法に見られる決まりで、江戸時代にも裁判の慣習として残された。つまり、あまりに暴力沙汰が多く、いちいち裁判するのがめんどうなので、「暴力による解決はよくない」という教訓をたてに、両方とも罰してしまおうというアバウトな解決法である。しかし、そうは言いながら、有力者がらみのけんかでは、身分の低い側だけが処罰されるという忠臣蔵のようなケースもあり、どちらにころんだとしてもご都合主義のそしりはまぬかれない。(CAS)