薬とは、飲んだり、吸引したり、塗ったり、注射したりすることにより、人間をはじめとする生体に生死に関わる変化をもたらすもの。放置しておけば着実に死に向かう者をなんとか生きている状態、または健康な状態に戻すものが医薬品。平常な者を死に近づけるものが毒薬。死にそうなほどの快楽をあたえ、いい気になって使い過ぎたり、止められなくなって使い続けたりすると本当に死んでしまうものも「くすり」と呼ばれる。
薬は、怪しいとか不思議だという意味の「奇(くす)し」と同根の言葉で、いまいち信用がおけない人物である「薬師(くすし)」すなわち医者によって処方される、いかにも怪しげな粉末であったりするから「くすり」と呼ぶのである。また、そのへんの道ばたに生えている草を抜いてきて煎って使ったりするので「草煎り」が語源ではないかという説もある。(CAS)