暮れるの「くれ」は「暗い」や「黒」の「くろ」と同根。つまり「暮れる」とは「暗くなる」という意味で、一日の終わりをいい、そこから季節、一年、人生などの終末期をいうようにもなった。また、「暗くなる」という本来の意味から、「暮れる」は「途方にくれる」「思案にくれる」などと用いて、行く手が暗くて見えずに困りはてている様子を言い表したり、「金に目がくれる」というように、(金のおかげで)精神が暗闇に陥り正常な判断ができなくなっている姿を示したりもする。
一日が終わって暗くなり、人生が終わって暗闇に陥るように、「暮れる(終わる)」ことは「暗くなる」ことであり、日本の大人向けの物語が心中や切腹で終わるなどハッピーエンドが少ないのも、そんな終末感が影響しているのではないかとも思われる。(CAS)