クローンとは、一個の細胞が細胞分裂して増えた同一の遺伝子構成をもつ細胞集団のこと。クローンを人工的に作り出す技術は、やや知的にレベルの高いしろうとには、「我思うゆえに彼あり」または「彼思うゆえに我あり」という事象が実現する期待を、われわれ同様というおバカなしろうとには「クローンを働かせて、オレは遊んでくらす」というぐうたら生活の期待をいだかせる夢の技術である。一方、宗教界などからは、精子も卵子も使わずに人間や動物を作ってしまうというような行為は、神様だけに許された退屈しのぎのお遊びであるという批判が当然のように巻き起こっている。
cloneは、ギリシャ語で小枝を意味するklonから派生した言葉。日本語でも「分枝(ぶんし)系」というような訳語もある。klonから分枝したにしてはとんでもないクローンが生まれたものである。(CAS)