利き手(または利き腕)とは、左右の腕のうちよく動かせる方の手(または腕)のことをいう。このような言葉があるのは、二つの手(腕)がそれぞれ別の役割をになうことが多く、どちらが自由に動かせるか(利くか)が重要な問題だからである。足(脚)も「利き足(脚)」ということがあるが、これはサッカーのように足(脚)でややこしい作業をする場合に用いられるのであって、「歩く」程度の単純作業しかしない日常生活ではあまり聞かれない。一方、右も左も同じ役割を担っている目や耳は、どちらがよく見えたり、よく聞こえたりするかはさほど重要ではないので、「利き目」「利き耳」という言い方はなく、「ききめ」「ききみみ」と言葉にすると別の意味になる。もちろん、どちらの穴からにおっているかさえもよくわからず、よく「利いた」ところでたいして生活や仕事のうえで重要な役割を担っていない「鼻」などはもってのほかである。(CAS)