画竜点睛とは、中国・梁(502-557)の画家張僧繇(ちょうそうよう)が、金陵の安楽寺の壁にかいた竜に睛(ひとみ)を入れたところ、たちまち雲に乗って昇天したという『歴代名画記』七の故事から生まれた言葉で、最後の仕上げをする前に竜はちゃんとくくりつけておかなければ逃げられてしまうという例え……というのはほんの冗談で、実際は最後の大事な仕上げの例えとして用いられる。用法としては「画竜点睛を欠く」と主に否定形で用いられ、余計なことをしなかったために竜が暴れ出さずにすんだという例えとされる……というのもほんの冗談で、仕事の場などで詰めが甘いために、いままでの努力が水の泡となったといった状況で用いられる。(CAS)