兜を脱ぐの「兜(かぶと)」は、日本の武将が戦闘時にかぶった装飾性の高いヘルメットのこと。「兜を脱ぐ」は、戦争が終わって鎧(よろい)兜を脱ぎ、みんなで健闘を讃え合っている……という意味ではなく、戦っている敵に対して、敵の面前で兜を脱ぐということで、つまりは降伏すること、相手が自分より力が上であることを認める、という意味である。相手が強すぎるので戦闘意欲をなくして、煮るなり焼くなり好きなようにしてくれと開き直っている心境を言い表したものであり、現在でも「彼の才能には兜を脱がざるをえない」などと言って、「もうあいつと張り合う気はない」という意思表示として使われている。(CAS)