かつ丼とは、トンカツを丼めしの上に乗せた料理。通常は、トンカツをたまねぎなどとともに少量の和風スープで煮込んで卵で閉じ、ご飯の上に乗せたものをかつ丼と呼ぶ。つまり、西洋のポークカツレツに改良を重ね和風料理としてしまったトンカツを、それでも飽きたらず、ご飯に乗せて食べるというコンセプトのもと、さらに日本化を追求した料理であるといえる。多量の油で揚げたトンカツのせっかくのクリスピーな口当たりを、煮込むことでだいなしにしているわけだが、フランス人がパンをカフェオレに付けてぐずぐずにして食べるのと似たおもむきがあり、それはそれでうまいから人気があるのだと思われ、高カロリーのエネルギー源として学生やサラリーマンの強い味方となっている。
なお、通常のトンカツをキャベツの千切りなどとともにそのままご飯に乗せ、主にウスターソースをかけて食べるものは「ソースかつ丼」と呼んで区別されており、これはまたこれで、チープな味わいに磨きがかかった料理として人気がある。(CAS)