カテゴリー:ことわざ、故事成語、名言、名句
恩を仇で返すとは、恩を受けたのにそれに報いるどころか害を加えるという意味で、非人間的な行為を責める場面で用いることわざ。例えばサラリーマン世界で、一人前に育てあげてやったと思い込んでいた部下が、昇進して自分をクビにしたというようなシーンで「あいつは恩を仇で返した」と泣きながらぐちるのに最も適した言葉である。
そもそも「恩」とは、「仏の恩」とか「親の恩」とかいわれるように、無償のサービス行為を意味するが、日本で常識的に語られる「恩」は借金のようなもので、長期にわたって返済されることを期待して与える(これを「恩を売る」という)場合が多い。そのため、昔の恩をなにかにつけて口に出し、いやみったらしく返済を要求したりすると、うるさがられて、上記のサラリーマンのような悲惨な結果を招くことになるから注意しなければならない。(CAS)