この辞典の使い方>「お」で始まる言葉>十八番(おはこ)の意味、語源
カテゴリー:音楽、演劇、芸能、映画
十八番(おはこ、じゅうはちばん)とは、得意芸、得意演目などをいい、カラオケでそれしか歌えず歌うたびに同席した人々を苦しめる得意曲について、みんなが「待ってました十八番(じゅうはちばん)」などと大拍手で歓迎しつつ、陰では「また社長の十八番(おはこ)が始まったよ」とうんざりした顔をつきあわせているという、そんな使い方をされる言葉である。
語源は、歌舞伎の名家市川家の十八の得意演目「歌舞伎十八番」からきている。なぜ「十八番」と書いて「おはこ」と読むかというと、市川家がその十八演目の脚本を大事に箱にしまっていたからだといわれる。自信を持って演じられる演目が十八もあれば、お家の宝と桐の箱にしまって大事にするのも納得がいくが、歌詞を読みながらどうにか歌える曲でさえ十曲もあるかどうかというようなヤツが、「オレの十八番」などというのはおこがましいにもほどがあるというものである。(CAS)