オマージュとは、「尊敬」とか「賛辞」という意味で、映画界や音楽界で尊敬する人物に捧げる作品を言うことが多い。とはいえ常識的には、捧げられる作品は捧げられる人物にふさわしいクオリティがなければならず、軽々しくオマージュという言葉を使うことはできない。二流の作家がいくらオマージュを捧げても、捧げられた人物にとってなんの足しにもならないのである。
オマージュ作品は、捧げられる人物が作った作品のリメイクやカバーである場合も多い。しかし、オマージュを捧げられた当の人物はたいてい故人であり、万が一生きていたとしても、作品の使用権はとっくに切れていたりするので、その作品は墓前に捧げられた花のようなものである。つまり、どう転んでもオマージュは、捧げられる人物にとって一文の得にもならない。(CAS)