オブラートに包むの「オブラート」とは、でんぷんなどで作った薄い膜のことで、苦い粉薬を包んで飲むのに使用したもの。「オブラートに包む」という慣用句は、苦い粉薬をオブラートで包んで飲みやすくするように、相手を刺激する直接的な表現を避け、やわらかい言い方に換えるという意味である。つまり、真剣な交際を求める相手を断る場合、「格好がダサすぎ」とは言わず「趣味が合わない」、「キモい」とは言わず「私にはもったいない」、「ウザい」とは言わず「性格の不一致」といった調子……。
ただし最近は、苦い薬はカプセルに入っていたりして、「オブラートで包んで飲む」という行為が過去のものになろうとしているので、この言い方そのものがオブラートのような薄い膜で包んだ意味のよくわからない言葉になってしまっている感は否めない。(CAS)