カテゴリー:宗教、民間信仰、俗信
英霊とは、「すぐれた霊魂」という意味だが、死者、特に戦死者、さらには戦争で兵士として戦って死んだ者の霊魂のことをいう。同じ戦争で死んだ者でも、ただ敵に無差別攻撃されて死んだだけの一般人は、敵を一人も殺したり、敵の戦艦に穴を開けたりしておらず、「すぐれて」いるとはいえないので、「英霊」とは呼ばれない。しかし一方で、大局観のない無謀な戦略やいきあたりばったりの戦術によりボロ負けしてしまい、戦後は敵国の無慈悲な裁判でただの犯罪者になってしまった戦争の指導者は、決して「すぐれて」いるとは思えないが、誰かに責任をおしつけるのを嫌う(つまり、誰も責任をとりがたらない)日本人のやさしさから、英霊として祀られることもある。(CAS)