空蝉(うつせみ)とは、セミの抜け殻のことで、古来空しいこと、はかないことの例えとして用いられた言葉。しかし語源は「現(うつ)し人(おみ)」で、「現実の人間」のこと。仏教思想により、生きている現実の人間ははかなく空しいものだと考えたところから、「うつしおみ」→「うつせみ」という言葉に「空蝉」という漢字が当てられ、この言葉自体が「セミの抜け殻」「空しい世の中」「はかない人間」といった意味で用いられるようになったものだといわれている。もちろんこの「空蝉」は、はかないものコレクターの紫式部のコレクションにもしっかり収まっている。(CAS)