ウワバミ(蟒蛇)とは、巨大なヘビの通称であるが、昔の人がイメージしたのは、人間を丸呑みするほどのアナコンダクラスの大蛇。しかし、そんな大きいヘビは日本にはいなかったと思われるので、山中で比較的大きなヘビに遭遇した人が、里に帰って「あやうく自分も呑まれるところだった」というようなホラ話を広めた結果生まれた、半分妖怪の部類に属する生き物かと思われる。
語源には諸説あるが、大きなマムシ(蛇の一種)を意味する「大蝮(おほはみ)」あたりの転ではないかと考えられる。
また、ウワバミは「大酒飲み」を意味する慣用語でもある。人間を丸呑みするくらいであるから、よほどの大酒飲みであろうという憶測から生まれた比喩である。見るからに大酒飲みに見えて実はビールをコップ半分飲んだだけで倒れてしまう人もいるように、ヘビを見かけで判断する根拠のない比喩表現であるというべきであろう。(CAS)