家とは、漢字の「家」に、似たような意味の日本語「いえ」を当てたもの。夫婦と血縁関係者を主とした生活共同体が住むための建物、すなわち「住居」「住宅」の意味のほか、そこで暮らす人々「家庭」「家族」、また、祖先から子孫へと代々続く「家系」の意味もある。
日本で「家(いえ)」は、身分制度などで守られていたり、家族にタレントが現れて収益システムが確立したりすると、存続することが重大な関心事となる。そのような「存続する家」で守られている家族はたいしたタレントもない連中ばかりなので、「家」の質を守るためには血縁を無視して外部から才能が取り入れることも辞さない。その既得権益の守り方が現代にも通じるなりふりかまわなさなので、日本で「家(いえ)」といえば、存続することに意義がある、制度としての家がクローズアップされる。しかし、われわれ庶民のなんの資産も価値もない大半の「家」は、存続することにあまり関心が示されず、ほとんどの人が三代前の主人の名前さえ知らない。
中国語の「家」は、屋根「宀」の下に豚を意味する「豕」を置いたもの。豚や馬などの家畜も同居していた昔の家の姿を想起させるが、豚が住んでいるという意味では現代にも通じる表意文字だといえる。(CAS)