一石二鳥とは、To kill two birds with one stone.(一つの石で二羽の鳥を殺す)という西洋のことわざを訳した四字熟語。「一つの石で二羽の鳥を殺す」といっても、一つの石を投げて二羽も殺せるほどの魔球の持ち主を言っているわけではなく、一つの石を投げたらたまたま二羽の鳥に当たった、つまりひとつの仕事をしたら思わぬ副産物を得たというラッキーな状況を言ったもので、「海老で鯛を釣る」「濡れ手で粟」「カモネギ」などと親近性があり、「二兎を追う者は一兎をも得ず」「虻蜂取らず」といったことわざのアンチテーゼである。一羽を得るつもりだった鳥を二羽得たという程度のささやかな幸運もなければ、世の中やっていけないよという庶民の悲哀をうったえることわざでもある。(CAS)