遊ぶとは、人や物がその果たすべき役割から離れて放置されているという意味。例えば、「パソコンが遊んでいる」といえば、社員がバカばっかりでせっかく購入したパソコンが放置されている状態を意味し、「社員が遊んでいる」といえば、会社がつぶれそうで社員に与える仕事がない状態をあらわしている。要するに「遊ぶ」とは、「働く(労働する、機能をはたしている)」「効く(効果、機能を発揮している)」の反対語である。
遊んでいる主体が「物」である場合は、それは黙ってじっとしているが、主体が「人」である場合は、暇つぶしのためにたいていよからぬ行いを始めるものであり、そのように仕事から離れて自分の好きなように活動することをも「遊ぶ」といい、「遊んでないで勉強しろ」「あいつは遊んで暮らしている」などと私たちが一般的に使う「遊ぶ」は、こちらの意味で用いられていることが多い。だからといって、例えば「釘が遊んでいる」といわれた場合は、「釘がみんなどこかへ遊びに出かけてしまって釘箱がからである」などと楽しく想像せずに、「打ち込んだ釘がゆるんで効いていない」と真面目にとらえなければならない。(CAS)