暴れん坊の「坊」は、「人」、特に「男」、しかも「ワルガキのような男」を指すので、「暴れん坊」は「暴れるワルガキのような男」を意味する。「暴れ坊」というところを、「赤ん坊」「けちん坊」「甘えん坊」「怒りん坊」などと同様、語呂をよくするために「ん」を入れて「暴れん坊」としたもの。
しかし「暴れん坊」という言葉は、「政界の暴れん坊」「暴れん坊将軍(テレビドラマのタイトル。「将軍」は徳川幕府のトップ)」などのように、いい大人が子どもっぽく激しく活動することで周囲に大きな影響(主に好影響)を与えるイメージとしてとらえられている。したがってこの「暴れん坊将軍」は、「おもちゃを買ってもらえず、泣きわめいて手足をばたばたさせている将軍」ではなく(そんな将軍もいたかもしれないが)、「身分を隠して庶民に溶け込み、喧嘩もいとわず正義をつらぬく将軍」であると(そんな将軍の方がいそうもないが)、テレビ番組の視聴者は暗黙の内に了解している。(CAS)