塩梅(あんばい)とは、料理の味加減をいう。つまり、くそまずい料理を作っておいて、「レシピどおりに作ったのにぃ〜」と騒いでいる人に決定的に欠けているセンスのことである。塩梅(あんばい)はまた、ものごとの具合、程度、調子などの意味でも用いられるが、若い人には無縁で、風呂に入った年寄りが「いいあんばいの湯加減だ」などと使っているので、正確に定義するなら、「年寄りが感じるものごとの具合、程度、調子」ということになる。
「塩梅」はもと「えんばい」と読み、料理用の塩と梅酢、味加減、政務などを適切に処理するという意味で用いられていた。また一方で、「ものごとを適切に処理すること」「(人員などを)適切に配置すること」という意味の「按排(あんばい)」(現代中国語で「安排」)という別の言葉があり、室町時代に「塩梅」と「按排」が混合して「塩梅」で「あんばい」と読む言葉ができあがったとされている。(CAS)