アキレス腱とは、ギリシャ神話の英雄アキレス(アキレウス)のかかと部分の腱のことをいい、不死身を誇っていた勇者の唯一の弱点であり、戦闘中にそこを射られて死んだと言われる。つまり「不死身」の看板にはいつわりがあったのだが、これは彼の母親テティスが息子を不死身にするため、冥府を流れる川に赤ん坊であったアキレスを浸したが、かかと部分を握っていたためそこだけ水に触れず唯一の弱点となったという、しろうと医療の限界を示す事象だったのであって、虚偽広告は決してアキレスの責任ではなく、当人も死ぬまで自分が死ぬとは思いもよらなかったと考えられる。
ギリシャ神話の逸話から「強者の唯一の致命的な弱点」の例えとして、「アキレス腱」は全世界的な知名度を誇っている。日本にも「弁慶の泣き所」という類似の例えがあるが、さすがに古代文明を支えた神様と日本の一介の武士では知名度に雲泥の差があり、あくまでもローカルワードにとどまっている。
かかとからふくらはぎをつなぐアキレス腱は、人体にあって最大最強の腱であり、スポーツ選手などにとっては生死に関わる部位であることは確かである。(CAS)