カテゴリー:副詞、助詞、接頭語、接尾語
あっぱれ(天晴れ、遖)とは、「すばらしい!」「みごと!」など、賞賛や感動を表す言葉。かなり上から目線な表現であり、その昔、ちょっと頭の弱い殿様が臣下の無鉄砲な働きを「あっぱれ、剛の者であるぞ」などとほめるのに使い、いまでも能天気なじいさんが珍しく若い者をほめるときに使う……というか、もとプロ野球選手の陽気なじいさんがテレビ番組で現役の選手をほめるとき連呼したために復活した、ほぼほぼ死語だった言葉である。
「あっぱれ」は、うれしいにつけ悲しいにつけ感動を表す「あわれ(あはれ、哀れ)」が促音化した言葉である。「あはれ」は、感動したとき自然に発せられる「ああ」という感動詞が変化したもので、紫式部のおはこでもあったように、かなりヤワな感動、賞賛の表現である。敵の首を切り取って持ってきた武将を誉めるのに、「あはれである」ではまるで力が入らないので、力強く促音化したものと考えられ、すでに平家物語などに見える言葉である。
漢字の「天晴れ」はいかにもご陽気でこの言葉にふさわしいが、当て字。「遖」はほとんど使われていないが、日本で考えられた国字だそうである。(CAS)