脇または脇の下は、腕の付け根の下のところをいう。「脇」だけで腕の付け根の下部をいうので、「脇」の「下」と加えるのは、「馬から落ちて落馬した」みたいな言い方になるが、漢語でも「腋(えき)」と「腋下(えきか)」という表現があるので、先生にならってなんの疑問もなく両者を用いている。
脇または脇の下は、「人体の部位」というにはあまりに存在感のないただの「くぼみ」であるが、体温計をはさんだり、子どもをここにはさんで持ち上げたり、スポーツの教官から「もっと脇を締めろ」と指導されたり、脇毛を生やかしたり、生えた脇毛を抜けとか剃れとか言ったりして自己主張するので、その場所のなにもなさかげんに比べると活躍の目立つ部位である。(CAS)