六曜とは、六つの星(太陽、月も含む)という意味だが、日本で日々の吉凶を表す暦注(れきちゅう)としてカレンダーに記されている先勝(せんかち)、友引(ともびき)、先負(せんまけ)、仏滅(ぶつめつ)、大安(たいあん)、赤口(しゃっく)の六種類の星の名前のことをいい、およそ六日に一度のローテーションで各曜が回ってくる。比較的多くの日本人がこの六曜に基づいて、結婚式はハッピーな「大安」に行いアンラッキーな「仏滅」を避けるとか、葬式は死人が友だちを誘ってしまうという「友引」を避けるといった信じられない行動を実際にとっている。
暦で星といえば七曜がおなじみで、こちらは西暦のカレンダーの一週間を表す名称として(決して西洋の曜日の名前を訳したものではないにもかかわらず)ちゃっかり主流派におさまっているが、六曜の方はあてにならない占い師が後援しているという身持ちの悪さがあだとなって、カルト宗教のような立場に追いやられている。しかも、この六曜、江戸時代にはほとんど庶民には知られておらず、江戸末期からようやく暦に記されるようになり、盛んになったのは太平洋戦争後だというから、ますますカルトっぽいいかがわしさに磨きがかかっている。(CAS)