行き掛けの駄賃とは、用事をするついでに他のこともすることをいう。「駄賃」は、子どもがお使いなどを頼まれたときにもらうチップのことだが、本来は馬で荷物を運ぶさいの運賃をいう。馬子(まご)、つまり運送業者が馬を引いて荷物を届けたり、取りにいったりするついでに、よその荷物も運んで運賃を稼いだことから、この慣用句が生まれた。現代の宅配業者はめいっぱいの「行きがけの駄賃」を自在に操ってで商売しており、運送業者は荷物を届けた帰りのトラックをどう使うか、つまり「帰りがけの駄賃」をどう稼ぐかで頭を悩ませている。(CAS)