悠々自適とは、心に余裕を持って自分の思うままに生活を送ることを言い、趣味に生きるゆとりある年金生活などを表現するのによく用いられる。「自適(じてき)」の「適」は「適(かな)う」の「適」で、「自適」は自分の思いにかなった生活をすること、つまり自分の思いのままに暮らすことをいう。しかし思いのままの生活といっても、方々で飲んだくれたり、おねえちゃんにうつつを抜かしたり、毎日パチンコ屋に通ったり、街中をバイクでぶいぶい言わせたりするといった、騒々しい生活は「悠々自適」とは言い難く、盆栽を育てたり、俳句の会に出席したり、骨董を愛でたり、温泉旅行に行ったりといういかにもじいさんばあさんくさい地味で静かな生活を言い表すのにふさわしい言葉である。(CAS)