やぶ(藪)医者とは、診察してもらうのに危険がともなうへたな医者という意味で、お寺の家業を引き継いで医者になった者のことをいう(注:お寺云々はウソです)。
藪医者の「藪」は野生の竹が群生しているところ、草木が密集しているところを意味し、そこから「藪医者」は山深いいなかの医者を連想させるが、実は当て字で、「野巫(やぶ:いなかの呪術師というほどの意味)」が語源だといわれる。もっとも落語などでは、竹藪のように「風(風邪)で動く」、つまり風邪が流行ると医者の手が足りなくなって、おかしな薬さえ与えられなければ自然に治癒するだろうからと診察してもらう人が増え、へたな医者も忙しくなるところから「藪」なのだという、ヘンに説得力のあるこじつけがまことしやかに語られている。(CAS)