やはり野に置け蓮華(れんげ)草は、江戸中期の俳人・瓢水(ひょうすい)の句「手に取るなやはり野におけ蓮華草」から取ったもので、野原で咲いているからこそレンゲソウは美しいのであって、摘んで観賞するものではない、すなわち、人や生き物はそのものにふさわしい環境に置くのがよいという、エコロジー精神にあふれたことわざである。この言葉は、つい手に取って持って行きたくなる可憐なレンゲソウだからなりたつのであって、そこらへんのぺんぺん草であったら、野原にあっても見向きもされないので、「野におけ」などと心配するにはおよばない。(CAS)
カテゴリー:図版付き解説