ピエト・モンドリアン(Piet Mondrian)1872-1944。歴史上最も簡単に真似できるが、歴史上最も真似する気になれない抽象絵画で知られるオランダ出身の画家。ロシア出身のカンディンスキーと並び抽象絵画の祖と称される。表現主義から展開したカンディンスキーに対して、モンドリアンはピカソらのキュビズムの造形をつきつめた幾何学的でミニマムな抽象画がウリ。中でも、縦横の黒い直線でしきられた画面に赤、青、黄の三原色を配置した『コンポジション』のシリーズが代表作で、「先にやったもん勝ち」というその後の現代芸術の傾向を先取りした、まさに「やったもん勝ち」の画家であり、世界中の無能な画家の嫉妬を集めている。(CAS)