モチーフまたはモティーフ(motif)はフランス語で動機、理由、主題という意味。英語のmotiveと同じだが、あえてmotifというフランス語が用いられる場合は、美術や小説などで、表現の動機となった素材や思想のことをいう。例えば、伝統的な西洋絵画では、キリスト教の聖書やギリシャ神話の物語がモチーフとして使われることが多いが、そのような伝統的なモチーフを使うことがダサいと考えられるようになった近代絵画では、目の前でハダカになって寝ているアルバイトの女性とか、テーブルの上で腐りかけているリンゴといった、より直接的な絵画素材をモチーフと呼ぶことが多い。また、クラシック音楽では、楽曲を作る最小単位で、作曲家が「かっこいいじゃん」と気にいって、その楽曲の中で何度も何度も使いたがる、耳障りな音の連なりをモチーフという。
芸術的な感性を刺激して制作の動機となった素材や考え方をモチーフというわけだが、いくら本当の制作動機になったとしても「これでひと儲けしてやる」というような不純な動機はモチーフとはいわない。(英語でmotiveといえば問題ないかもしれない)(CAS)