モチベーション(motivation)とは、英語では刺激、誘導といった意味で、心理学では「動機づけ」と訳され、アメとムチで駆り立てられたり、ものごとを達成したときの自己満足の喜びを追求したりして、その人が鼻息荒くやる気まんまんでふるいたったときの、そのいきりたっている状態ややる気の度合いを表した言葉である。例えば、「俺たちが頑張ってこの難局を乗り切ったって、どうせ上司のあんたの手柄になるんだろう」と考えて、ふてくされている部下たちの心理状態は「モチベーションが低い」という。心理学用語の和訳である「動機づけ」は、日本人にとっては堅苦しくていまいちピンとこない言葉であり、セールスマンの尻を叩いてろくでもない商品を客に押し込まねばならないビジネスの現場では「モチベーション」が愛用されている。
しかし、最近の外来語表記からいえばmotivationは「モティヴェーション」とでもしなければならないところを、「モチベーション」でまだ通っているところからみると、やや新鮮味の薄れた言葉といえるかもしれない。(CAS)