目の黒いうちとは、「私の目の黒いうちは家への出入りは許さない」などと用いるが、メイクの失敗で真っ黒なパンダ目になった女のコがボーイフレンドに会いたくなくて言っている言葉ではない。この「目の黒いうち」は「瞳の黒いうち」であり、「死んでしまって白目をむいてしまわないうち」つまり「生きているうち」という意味。したがって「私の目の黒いうちは家への出入りは許さない」は、「私が生きている限りおまえは家には招待しないし、家族とつきあってもいけない」という頑固おやじの宣言である。これは瞳の色が黒い日本民族ならではの慣用句であり、海外ではいちいち「私の目の青いうちは」とか「オレの目のエメラルドグリーンなうちは」とか言わなければならないであろう。(CAS)