身に余るとは、自分の仕事ぶりや業績について社長からおほめの言葉をもらったようなとき「身に余るお言葉です」などと用いるように、私の器量(身)に対して「社長のほめ言葉」は大きすぎる(余る)という、奥ゆかしい謙遜の表現である。この「身に余る」という言い方は、「ほめ言葉」や「賞賛」「表彰」など抽象的な評価について主に用いられ、「昇給」「報奨金」など実質的な評価にはあまり使用されない。ほめたりたたえたりするだけならいくらでも大きなことがいえるので「身に余る」かもしれないが、昇給や報奨金となるとみみっちい額しかもらえないのでそんなことになるのかと思われる。「そんなにほめるなら給料上げろ」と思っているのに、「身に余るお言葉です」などと遠慮してしまうのが、私たち下っ端の下っ端たるゆえんであるのだが……。(CAS)