耳にたこ(胼胝)ができるの「胼胝(たこ)」は、海洋生物のタコとは無関係で(語源として関係あるとする説もあるが)、皮膚の一部分が角質化して厚くなったもの。一定の部分に摩擦や圧迫が常時かけられると生じ、文字をペンや鉛筆で書き続けていると指にできる「ペンだこ」はその代表的なものである。「耳にたこができる」略して「耳タコ」は、何度も同じ話を聞かされて、その話が耳に摩擦を繰り返し(そのように感じ)、タコが生じるということ。指などにタコが生じると、その後摩擦や圧迫が繰り返されても痛みを感じなくなるように、耳にたこができると、その後同じ話を何度聞かされても心になんの痛みも感じなくなり、反省する気もなくなるのである。つまり、指導者が部下や教え子に同じ説教を何度も繰り返すのは、部下や教え子を発憤させたり反省をうながすにはあまり役に立たないが、何を言われても感じないふてぶてしい精神を作るには効果的だということである。(CAS)