短夜(みじかよ)は、時間が短い夜という意味で、俳句で夏の季語とされている。夜の時間がいちばん短いのは夏至なので、夏の夜が短いというのは正しい認識であるが、では昼間の時間が長いという「日永(ひなが)」「永日(えいじつ)」も夏かというと、これらは春の季語。日の短い冬が終わって、暖かい昼間の時間が伸びていくのを祝福する気持ちが「日永」「永日」には表現されている。一方、くそ暑い昼間からようやく開放され、涼しい夜風を楽しめる夏の夜だが、短くて残念! という気持ちが「短夜」には表れている。詩的な世界では天文学的なこまかい事実関係は二の次なのである。(CAS)