妙(みょう)とは、「妙技」「妙案」のように、非常に美しいさま、すばらしいさまをいうのに用いる語。しかし、「妙な人」というと、決して美しい人でもすばらしい人でもなく、「ヘンな人」を意味し、「奇妙」「妙に静かだ」のように、現代では「普通と違っていてヘンだ」という使い方がやや優勢である。
「妙」という漢字は、女+少で表されるように、「数少ない女性」つまり、ミスコンで優勝するようなまれにみる美しさやすばらしさを表しているとも、そのまま「少女」の意味で、若い女性の美しさを表しているともいわれる。
「数少ない女性」という意味だと、「まれにみるブサイクさ」を表しているとも解釈でき、そのあたりが「妙な人」の「妙」につながっているのではないかとも思える。
ちなみに、仏教のお寺の世界では「妙」は若い女の意味で、「妾(めかけ)」を表す隠語だという。日本の僧侶のなまぐさぶりを見るにつけ、「南無妙法蓮華経」というありがたいお題目の「妙法蓮華経(法華経の主要経典)」が、「いかに偉いお坊さんでも、『少しは女に惚れんげきょう』」などと茶化されたりするのも、やむをえないと感じる。(CAS)