冥利(みょうり)とは、漢字ではあの世からの(冥)ご利益(利)といった意味で、仏教の因果応報の思想に基づき、善業の報いとして神仏から授けられた思いがけない利益のことをいう。一般的には、ある立場、地位、 職業にいることによって受ける恩恵を言い、「○○冥利に尽きる」という言い方をする。例えば、役者は大喝采を受けて「役者冥利に尽きる」と言うが、それは「この大喝采は役者になったからこそ得られる最高の恩恵(幸せ)だ」という意味である。このように「冥利」は金にかえられないような大きな恩恵について用いられる。建設官僚になったので建設業界に天下り先ができたとか、テレビのレポーターをやっているので高級料理をタダで食えるというようなみみっちい恩恵については、「役得(やくとく)」という「その役割についたことで得られる利益」というみみっちい言葉が適している。(CAS)