マチエールとは、フランス語matièreを日本語に置き換えた言葉。フランス語では物質、素材などの意味のほか、絵画において、絵の具などの材料と筆などによるタッチがつくり出す表面の素材感や凹凸の味わいのことをいい、日本で使われるのも主にその意味。似たような言葉に、同じフランス語由来のテクスチャー(texture)があるが、こちらは織物、組織、構造といった意味の他、布地などの肌触りをいう。どちらもものの表面の感覚をいった言葉だが、たとえば救いようのないにきびヅラは、マチエールの側からはにきびという素材の表れ方、存在感が評価され、テクスチャーの側からは「ごつごつした」とか「ざらざらしている」といった手触りの感じ方が評価されることになる。にきびヅラは、どちらかというと、マチエール側からの評価が高いといえそうだ(どちらにしても、そんなに誉められはしないが)。(CAS)