屁の河童は、「河童の屁」を反転させた言い方。容易であること、とるにたりないことという意味で、「朝飯前」と似た表現であり、現代で言えば「楽勝」に当たる。語感からも察せられるように、与えられた仕事などを「朝飯前」や「楽勝」よりさらにあまく見た言い方である。「屁」は誰の屁であるにせよとるにたりないものであるが、なぜわざわざ想像上の動物である河童に託したのか疑問が残り、水中で出す屁なので勢いがないなどという、苦し紛れの解釈もなされている。一方で、すぐに消えてしまう「木くずについた火」という意味の「木っ端の火」が訛った言葉であるとの見解もあり、どちらかというとそのほうが説得力がある。いずれにしても、いまとなってはあまり実感のない言い方であり、仕事を命じられて「こんなの屁の河童です」などと言っている若いヤツは見あたらない。(CAS)